俺とタイ人と国際社会への道のり | 世界と日々と君と僕

俺とタイ人と国際社会への道のり

 暑い!なんだこれ!猛暑じゃねえか!どこにキレたらいいんですか俺。気象庁か?気象庁なのか?


 いやあ、冒頭からきれっぱなしの僕俺だが、ひょんなことからタイ人と話す機会があった。その彼がおっしゃっていたのだが、東京はタイより暑いらしい。ええ、そらもう暑いんだって。熱帯夜で寝れないんだって。カレーの国からいらした彼がですよ、ええ。そりゃ俺だったキレるっつーの!ふんとにまったくもー。


 この暑い中、実は今日某玩具メーカーに面接に行ってきたのである。俺はまだ三年なので、ほんちゃんの就職活動ではなく、インターンシップに参加するための面接だ。タイの彼と会ったのもその集団面接の席でのことだった。


 帰り道彼と一緒になって、山手線でぐるーっと大回りしながら話をした。同じ学校だったってのもあるけど、留学生の話って面白くて、やたらと質問をしてしまった。何で日本にきたの?普段はどんな勉強してんの?受験どんな感じだった?英語とかしゃべれるの?などなど。しつけーな俺。


 うざい質問にもひょうひょうと(時たま裏返る声で)彼は応えてくれた。だが、子供のような無邪気な笑顔が印象的だった彼が別れ際俺に投げかけた質問が、俺を戦慄させた。彼は言いった。「ふたりはプリクア(キュアと言いたいが発音できないらしい)知ってる?」


うん、知ってるよ。


 この、こんなにも簡単なこの一言がどうしても出てこなかった。いや俺もまごうことなくオタクなんですよ。けどね、山手線のホームでね、イエスとは言えませんでしょ。


 さ、さあ。わかんないなあ。遠い目で応えた俺の言葉に、きっと彼は悲しい顔をしていたに違いない。国際社会への芽がこうしてまた一つ摘まれたのである。