俺とバトンと音の連鎖
うーん、すごいぞインターネット。
"MUSICAL BATON "。いわゆるチェーンメールのような形態で広まったネットを使ったコミュニティーです。
以下に記す五つの「フォームに従って、音楽遍歴を紹介し、さらに五人のネット上の知人にバトンを手渡すというもの。俺は、ちあきから手渡されたのですが、彼女は俺がネット上で最も尊敬に値する人物、☆MIXED BAG
☆の管理人ナオトさんといつの間にかコンタンクトをとっており、あろうことかバトンを本人から受け取る(!)という大ラッキーに見舞われたのです。もう羨ましいやら悔しいやら、あーいいないいなーと連呼したしまったのです。
まいいや、どんどんいくどー。ナオトさん見てくれてたらコメント下さい!
1) Total volume of music on my computer:(自分のPCに入ってる音楽ファイルの容量)
16GB
今のところi-tunesに約3000曲入ってます。歌好きインスト好き。アンテナ広いほうじゃないんで、良いといわれているものをとりあえず聞いてみっかーって感じ。もっとたくさんの音楽に出会いたいと思う。興味がむくままにこれからもどんどん出会っていきたい。
今ふと思い出したんだけど、手塚治虫先生の代表作『鉄腕アトム』で、主人公アトムが音楽を聴いても音階の羅列にしか聴こえないと、音楽を解する人間をうらやむ話があった。人間はどうして単純な音の繰り返しに感動するんだろう、アトムは言う。でもねアトム、俺だってわからないよ、どうしてこんなに胸に沁みたり心が躍ったり、音楽がなんなのか全然わからない。でもね、わからないってことは幸せだと思うよ。
ただ耳の奥に反響する空気の振動を、ゆっくり味わうだけでいいんだから。
2) Song playing right now:(今聴いてる曲)
Devil's Haircut / Beck
今なんにも曲聴いてませんでしたごめんなさい。シャッフルで再生したらコレが流れました。イントロから大好きです。言わずと知れたグラミー受賞作『Odelay』の一発目です。
んーなんつうか生音を並べた感じ丸出しで、音に立体感がまったくなくて、そこにBeckのちょいルーズなボーカルが入ってくる。なんていうかスーパーファミコン。でもちょっと三次元と毒を取り込みつつみたいな印象だからセガサターンかな。セガの黒い悪魔だし、この曲にピッタリじゃん。あ、この表現どっかで聞いたことあると思ったらMIXED BAGのキセルのレビューでした。ごめんなさい。パクっちゃいました。
3) The last CD I bought:(最も最近買ったCD)
くるり『アンテナ』
うーん、発売いつだよアンテナ。レンタルにお世話になり過ぎですってほんと。ああでもこのアルバムは本当によいアルバムだった。初めて通して聴いたとき、「え?なにこれ、え?」とか言っちゃったな。よくも悪くもくるりって、ダイナミズムみたいなものからは離れたバンドだと思ってたんです。でもこのアルバムは違った、と思う。多分幾度となくセッションを重ねたのだと思うけど、音が濃くて絡み付いてくる。ドロっとしてて透明感がない音集合を耳から注がれてる、そんなイメージが一番伝わるだろうか。気持ち悪いけどね。
バンド経験なんてないから「クリストファーの存在が大きく作用したんじゃないだろうか」なんて知った風なこと言えないけど、あの外人がバンドに残して行ったエネルギーを、感ぜずにはおれない。
アンテナを聴く時はUSAの方向に一礼してから聴くのが通例です(当然嘘です)。
4) Five songs I listen to a lot, or that mean a lot to me:
(よく聞く,または自分にとって大きな意味のある5曲は?)
俺の全人生から五曲かあ。うーん。悩むなあ。
①I Feel Fine / The Beatles
一時期、多分中学生くらいだったかな、ビートルズとカウボーイビバップのサントラしか聞いてない時期があった。椎名林檎とかブランキーとかミッシェルとか、その時ビビっときていたアーティスト達を差し置いて。「中学生だし洋楽の一つでも」と手に取ったのがビートルズだったのだろう。正確なところは覚えていないけれど、現在の自分を鑑みても、充分にありうるなあと思う。
この曲はイントロが大好きだった。好きな曲は大抵イントロにビビっとくる。この歪むギターはヘロインでへらあっとなった精神が奏でる音を表しているのだ、と親父がいい、俺はそれをすっかり鵜呑みにしていた。
動機はともあれ、根底にビートルズがあることは間違いなく、我が音楽人生において大変重要な位置を占めているといえるなあ。
②Girls & Boys / Blur
OasisのWonderwallとどっちにしようか迷ったけど、こっち。最近UKって良い意味でヘンなギターポップバンドが流行ってる気がするけど、間違いなく変態ギターバンドのカリスマ。BlurのアルバムはParkLifeが一番よく聴きます。
③浜辺 / 曽我部恵一
ちあきと付き合うちょっと前に、お互いの好きな曲をMDに入れて交換しあったことがあった。たしか十二曲目あたりに入っていて、イントロにビビッときたのを覚えている。タイトルを気にしないで聴いていたから、正直『浜辺』のイメージはないけれど、夕暮れの東京から月の砂漠を歩いているような、すごく視覚的なイメージを喚起する。
曽我部恵一やスパルタローカルスは、彼女から教わった。歌っぽい歌の世界からちょっと離れていたので、彼女との音楽体験の共有はとても楽しかった。もちろん今でも楽しいよ、ちあき。
④家族の風景 / ハナレグミ
昔から歌を歌うのが大好きで、今でも実家に帰ると一人で海に行って歌ったりする。伸びやかに空気を振るわせるイメージで、俺は声をだす。いやでもやっぱ、自分の体だってのに、なかなかうまくいかないもんだね。だからタカシの声がうらやましくて仕方ない。イヤホンから聴こえてくる歌声に、そっと自分の声を重ねてみたりする。
いつか子供ができたら、この歌を一緒に歌いたいんだ。いいかなあタカシさん。
⑤ナイト・クルージング / クラムボン
なんで五曲しか選べないの?という理不尽な怒りがやってきたので、最後はずるっこですが、フィッシュマンズのナイト・クルージングをクラムボンがカバーしてるバージョンです。だって選べないんだもん。
唐突ですが、クラムボンの三人みたいに、誰かと語り合うように暮らしたい。彼らは楽器を奏でてるんだけど、語り合ってるよね。セッションてそういうことなんだ、と発見したのはIDを聴いているときだったなあ。
ちあきも書いてるけど、この曲に限らずフィッシュマンズの歌詞は素晴らしい。フィッシュマンズって曲の情報量が多くて、そっちに気を取られてる間に、そっと沁みこんで来る感じ。歌って素晴らしいと思うのは、言葉が沁みこんで来るそういう瞬間、つまり詩でも音でもない、歌を感じたときなのだと思う。
5) Five people to whom I’m passing the baton:(次にバトンを渡す5人)
①de ja vu klimt211さん
②写真日和 shiphoさん
③かんそう日記 max4sweetさん
④・・・
⑤・・・
音が広がっていきますように。三人にだけど。